女神(ミューズ)たちの饗宴 ~18世紀ロココの宮廷を彩った音楽~

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女神(ミューズ)たちの饗宴
~18世紀ロココの宮廷を彩った音楽~
販売元: ALM RECORDS

1. J.-M. ルクレール:歌劇《スキュラとグラウコス》序曲 イ長調
2. G. F. ヘンデル:合奏協奏曲 イ長調 Op. 6-11, HWV329
3. J. A. ハッセ:歌劇《エウリュステウス》序曲 ニ長調 試聴する
4. F. J. ハイドン:ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲 ヘ長調 Hob. XVIII:6
5. A.-E.-M. グレトリ:交響曲 ニ長調

内容紹介

北九州市立響ホールを拠点に活動する弦楽アンサンブル「響ホール室内合奏団」のデビュー盤。人生の甘美に彩られた18世紀ロココ時代の宮廷人が当時の一流作曲家に作曲させたオーケストラ作品を集め、中野振一郎の指揮のもと卓抜したアンサンブルの妙味を聴かせる。ヨーロッパ宮廷文化が生んだ「華麗なるたいくつ」の音楽は、しかし、耳をまったく飽きさせない。比類なく豊かなロココ宮廷文化の絢爛たる音の宴が生き生きと芽吹く一枚。

使用楽器:堀栄蔵 製作 1992年 フレンチ式(タスカン製作1760年に基づく) a’=415Hz

録音:北九州市立響ホール 2012年4月17-19日

total playing time: 54’05”

《レコード芸術2012年11月号 準特選盤》

メディア掲載レビューほか

幕開けのルクレールの序曲の華麗にして甘美な色合い、空気は、このディスクのコンセプトをたちまちのうちにしっかりと印象付ける。続くヘンデルのヘ長調の合奏協奏曲における巧みなバランスは、もちろんリーダーの上野以下、ソリストたちのバックグラウンドの確かさあってのことだが、それに加えて中野が自在に手綱を引き、アンサンブルの面々からの自発的な音楽を引き出していることも見逃せない。これは才気煥発たる若手として名を馳せて以来、すでに永きに及ぶキャリアのなかで積み重ねてきたもの、その成果とも言うべきものだろう。 –岡部真一郎氏(レコード芸術/2012年11月号)

曲目は18世紀の宮廷音楽の特集で、時代的には前期バロックから古典派初期に亘っている。中では弦楽四重奏曲を編曲した、グレトリーの交響曲が珍しいし、中野の弾き振りによるハイドンの協奏曲も、相変わらずの足取りの軽い、リズミカルな快演に魅了される。彼の発散する音楽は、基本的に健康で明るく、活力に満ちたものだが、常にアリストクラティックともいえる、品格の高さを失っていない点を、高く評価したいと思う。その貴族趣味が、これらの作品の現代への甦りに、大いに貢献していることも特筆大書しておきたい。 –出谷啓(音楽現代/2012年11月号)

アーティストについて

中野振一郎(チェンバロ&指揮)

京都生まれ。1986年桐朋学園大学音楽学部の演奏学科(古楽器専攻)を卒業。1990年に大阪で開いた4回連続の独奏会「ヨーロッパ・チェンバロ音楽の旅」により「大阪文化祭金賞」等を受賞。翌年7月にはフランスの「ヴェルサイユ古楽フェスティバル」のクープラン・サイクルに出演。ケネス・ギルバートやボブ・ファン・アスペレンら欧米を代表する名手と肩を並べ「世界の9人のチェンバリスト」の一人に選ばれる。1999年には「ゴルトベルク変奏曲」をCD収録し、同時に東京・名古屋・大阪にて公演(CDはレコード・アカデミー賞を受賞)。2004年「平成16年度文化庁芸術祭・大賞」を受賞。2009年にリリースしたパーセルのCDは2009年度「第47回レコード・アカデミー賞」を受賞している。2010年チェンバロ演奏のための手引書「チェンバロをひこう」(音楽之友社)を出版し、後進の指導と更なるチェンバロの普及に努めようとしている。

特定非営利活動法人 響ホール室内合奏団(弦楽合奏団)

北九州市の音楽専用ホール・響ホールの初代館長の“地元の演奏家を育てていきたい”という熱意から1998年に結成された。2003年からミュージック・アドヴァイザーにヴァイオリニストでもある澤和樹氏(東京藝術大学教授)が、2004年からはアソシエート・コンポーザーに作曲家の松下功氏(東京藝術大学教授)が就任。本拠地である響ホール以外にも、2003年には創立5周年を記念して英国公演を行い、ロンドンを始め英国4か所での演奏会では大変な好評を博した。2004年に再渡英し、5回の公演を行う。2006年には韓国国際音楽祭に招騁され、チェロのヤン・ソン=ウォン氏や人間国宝の尺八奏者、山本邦山氏とも共演している。2008年には創立10周年を記念して、北九州(響ホール)・和歌山(県民文化会館)・東京(紀尾井ホール)にて公演を行い各地で絶賛された。2011年には、韓国ソウルアートセンター室内楽ホールのこけら落とし公演に出演。

今までに早川正昭氏、ゲルハルト・ボッセ氏、有田正広氏、豊島泰嗣氏、漆原啓子氏、篠崎史紀氏、堀正文氏、双紙正哉氏、篠崎史子氏、吉野直子氏、小山実稚恵氏、瀬尾和紀氏、ガイ・ジョンストン氏、古川展生氏、野村四郎氏など著名なゲストと多数共演している。2010年からはチェンバロの中野振一郎氏とバロックシリーズを始め、好評を得ている。2003年北九州市文化奨励賞受賞。

上野美科(ヴァイオリン/コンサートマスター)
響ホール室内合奏団コンサートマスター。
クラシカル・プレイヤーズ東京、チパンゴ・コンソート、メンバー。
山口県芸術文化振興奨励賞受賞。
ニチオー・ミュージック所属・協力アーティスト。
桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学卒業。


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